不動産購入の流れ
マイホームの購入は、人生においても大きなイベントの一つです。一生に一度の買い物だからこそ、正しい知識を身に付けて、納得のいく理想のマイホームを手に入れてほしいものです。
「実際に何から始めればいいのかわからない!」
「本当にいま買い時なのだろうか?」
「こんなにお金がかかるものなの?」
憧れのマイホームを購入するまで、不動産会社がパートナーとなり、物件探しから契約、お引渡しまでのサポートをしてくれますが、自分でもしっかり確認しながら進めていくことが大切です。まずはマイホーム購入の大きな流れを把握しましょう。
購入計画と情報収集
購入したいマイホームの希望条件を整理することから始めましょう。
現在の家族構成やライフスタイルなどを踏まえて、理想とする住まいのイメージして、購入してからも、自分が支払える金額で、無理のない資金計画を立てましょう。
最初から100%条件を満たす住まいを見つけることは難しいかもしれませんが、一戸建てにするかマンションにするか、また間取りや部屋数など迷うことも多いと思います。
ここでは住まい選びのポイントを解説します。
一戸建てにするかマンションにするか
一戸建ての場合は、敷地や建物の利用に制限がありませんが、マンションは専有部分とバルコニーなどの専用使用権がある共用部分などに制限があります。
マンションの場合は、防犯や防災の安全性が高いものが多いですが、一戸建ては防犯対策に難しい面があります。
駅近などの好立地に多いマンションは、生活の利便性が高いですが、一戸建ての場合は、住環境に恵まれた立地であっても、利便性が低い場合があります。
それぞれにメリット、デメリットがありますので、方向性を決めるための参考にしましょう。
新築住宅or中古住宅
新築住宅の場合は、建物の設備すべてが新しいこと、また建物の安全性能が高く、土地や建物に欠陥があった場合は、法的保護措置があるのが主な特徴です。
デメリットとして、建物など完成する前に契約するケースでは、実物がイメージと違うリスクがあること、また新築建売住宅などは、予め決められた建物仕様や間取りでの購入となります。
中古住宅は、建物評価が低く抑えられ、安価で購入できることがあること、リフォームをすることで、お好みの設備や内装等の変更ができます。
中古住宅の場合、耐震強度などの安全性に問題があったり、品質や性能の劣化、建物や設備の維持管理費用がかさむことがあります。
特に中古住宅を検討するときの重要なポイントとして、1981年(昭和56年)以降に建築された住宅であるかどうかとう点が挙げられます。
1981年以降に建築された建物であれば、同年に建築基準法が改正され、厳しい基準で建てられたものなので、中古住宅の購入を検討する為のひとつの目安になるかと思います。
情報過多で混乱しないように注意が必要です!
保育園や学校などの子育て情報、病院やスーパーなど暮らしの情報、地歴や浸水履歴など行政による情報、大手不動産会社や地元密着の不動産会社、スーモ・ホームズ・アットホームといった不動産ポータルサイトによる不動産情報など、毎日たくさんの情報が配信されています。
何が重要で、どれが役立つ情報なのか?あまりに情報が多すぎて整理できなくなってしまう!
と思いませんか?
特に不動産ポータルサイトにおいては、何故か一つの物件を複数の不動産会社から配信されている。
税金や住宅ローンの事、建物の保証に関することなど、気になることがたくさんあるのに専門用語ばかりで分からない。
何が必要な情報で、どれが不要な情報かを見極めることが大切です。
初めから100点満点の家はなかなか見つからないものです。少し条件を緩めて探したほうが理想の住まいと出会う可能性が高まります。
多少気になる部分があっても、リフォームなどでどうにかなるか?など、自分たちで変えることができることに関しては、あまりこだわる必要はないのではないでしょうか。
それよりも、陽当りや周辺の住環境など、自分たちではどうにもならない部分を比較検討するようにしましょう。
購入資金計画を立てる!
家を買うとき、土地や建物の購入代金のほかにも、不動産登記費用や住宅ローンを利用する場合は、借入をするための保証料や手数料、また宅建業者へ支払う仲介手数料など多くの費用がかかります。
また、引越し費用なども見込んでおく必要があります。物件の価格と諸費用を合わせた総額で考える必要があります。
必要な諸費用は購入する住宅のタイプなどによって異なりますが、希望の住まいのおおむねの相場を調べ、預貯金の額や住宅ローンの借入可能額などを確認して、資金計画を立てましょう。
家の購入に意外とかかる諸費用
一般的に諸費用の目安は、購入状況にも異なりますが、物件価格の8%~10%です。さらに中古戸建てや中古マンションを購入して、リフォームを予定する場合は、別途リフォーム費用が必要になります。
主な諸費用の内訳は・・・
- 不動産売買契約書に貼付する印紙代
- 不動産会社に支払う仲介手数料
- 住宅ローンを利用する場合、ローン契約書に貼付する印紙代、事務手数料、保証料
- 所有権移転・保存登記の登録免許税と司法書士の報酬を含めた登記費用
- 固定資産税・都市計画税の日割精算金
- 中古マンションを購入した場合、管理費・修繕積立金の日割精算金
- 火災保険料
例えば住宅ローンを利用する場合の自己資金として、頭金を物件価格の20%と諸費用約10%を合わせた30%程度用意するのが理想的となります。
自己資金の不足で、親御さんなどからお金を借りる場合には、借用書を取り交わし、利息とともに毎月返済することをしなければ、贈与とみなされてしまう場合がありますので注意が必要です。
毎月の支払いについて考える
想定外の支出や収入の変化がある中、余裕をもっておくことが大切です。
例えば、今お住まいの家賃が10万円だとすると、生活する上で今の家賃は大きな負担となっていますか?それとも今の家賃より多少プラスされても大丈夫だと思いますか?
住宅ローンを利用した場合、毎月のローン返済の他のランニングコストも忘れてはなりません。
不動産を取得すると、固定資産税と都市計画税が毎年10万円~20万円程度徴収されます。
さらにマンションの場合の多くは、管理費や修繕積立金も毎月必要となります。
また管理費や修繕積立金は、マンションの管理形態や管理会社にも異なりますが、築年数の経過とともに数千円から数万円値上げされることがあります。
中古マンションの購入を検討される場合は注意が必要です。
不動産購入にかかる費用以外の費用
実際に新しい住まいで生活するためには、家具や家電、インテリア用品など、新たに買い揃えたり、買い替えたりすることもあるかと思います。
一つ一つは少額でも、まとまると結構大きな金額になる場合もあります。初めから大盤振る舞いせずに、少しずつ買い足されたり買い替えたりすることをおすすめします。
住宅ローンを利用してマイホームを購入する場合、借入をする金融機関の事前承認を得ることから始めましょう。
会社員の方であれば、前年の源泉徴収票・運転免許証・健康保険証等の写し。
自営業の方であれば、源泉徴収票の代わりに直近3年分の確定申告書・運転免許証・健康保険証等の写し。
これらで事前相談を申請してください。
概ね3営業日以内で回答を得られると思います。
金融機関で住宅ローン事前相談をし、事前承認を得て、「融資金額」や「融資条件」を知ることにより、無理のない確実な資金計画を立てることができるはずです。
物件を探して現地を見学する
気になる物件が見つかったら、物件情報を提供している不動産会社に連絡して、積極的に現地へ見学に行きましょう。
すでに完成している新築の建売住宅やリノベーションされた中古マンションなどは、比較的希望の日程で見学することができますが、特に売主が立ち会う中古住宅の見学をする場合は、売主の都合なども確認するしなければならないため、不動産会社に確認してから見学の日程を決めましょう。
新築分譲住宅の場合
新築分譲住宅の広告には、消費者が興味を抱くようなキャッチコピーやイメージ写真が多く並んでいますが、これらの言葉や写真に惑わされないようにしましょう。
広告の目に留まる部分を読むだけで、おおよそ物件の特徴を知ることはできますが、買主にとっての必要な情報は、目に留まる部分以外にあるので注意深く確認しましょう。
建物がまだ未完成の物件を見学するとき、モデルルームがある場合は、出来上がりの状態を確認することができます。ただしモデルルームにはオプションの設備などが使用されていることがあるので、基本の仕様との違いを確認する必要があります。
モデルルームがない場合は、建物の仕様書等で確認しましょう。
土地を見学する際の注意点
土地を購入して、お気に入りのハウスメーカーや設計でマイホームを建てる場合、土地の見学を一回で終わりにせず、祝祭日の昼間以外に、できる限り平日の昼夜にも現地を見学するようにしましょう。
日当りについては、夏と冬では太陽の角度が違うので注意が必要です。午前中に日が当たっていても、午後には周辺の建物で日陰になる場合があるので要注意です。また騒音や匂い等も確認しましょう。
天候によっては印象も変わりますので、雨が降っているときに雨水の流れや水はけなどチェックしておくことをおすすめします。
土地の見学に際に最重要ポイントとして、隣地との境界は明確になっているか確認が必要です。隣地との境界が明確でない場合、将来的にトラブルに発展することもありますので注意が必要です。また敷地周辺のインフラ環境の確認も必要となります。
中古戸建住宅を見学するとき
中古住宅を見学するとき、売主が立ち会う場合は、失礼のないように注意しましょう。また写真撮影をする際は、事前に売主の承諾を得ておくことが必要です。
売主は物件の状況、普段の買い物先や交通の便など生活に関連する情報など、そこに暮らす人しか知りえない情報を多くもっていますので、売主から情報収集することが大切です。
中古住宅の場合は、新築住宅のような買主保護のための法制度がありませんので、契約前に十分確認し、把握することが大切です。またインスペクション(建物状況調査)等を利用することもできますが、検査の実施は売主の判断を仰ぐ必要があります。
中古マンションはドコを見るべきか?
マンションの重要なポイントは管理状態です。マンションは管理を買えと言われ、管理状態がマンションの価値を左右する理由の一つだからです。
例えば、マンションのエントランスホールの掲示板など、掲示板の掲示物からマンション内のトラブルの有無、コミュニティ活動等うかがうことができます。
マンションの共用部分の確認も必要です。自転車置き場やゴミ集積所などの利用ルールが守られていない、敷地内の清掃が行き届いていない場合など、管理の良し悪しは、このような部分に現れます。
マンションの場合、12年から15年周期で大規模修繕工事が行われるのが殆どです。大規模修繕工事の時期について、どのような話し合いがされているのか、不動産会社を通じて管理会社に確認が必要です。また管理会社が発行する「重要事項調査報告書」を閲覧することも大切です。
重要事項調査報告書とは、マンションの売買の時に使われるそのマンションの情報が細かく書かれているものです。
この重要事項調査報告書では、マンションの管理の仕方や修繕の状態、管理費や修繕積立金の滞納問題まで見えるようになっています。
売買に関わった当事者が後々トラブルにならないようにするためにも、重要事項調査報告書を必ずチェックしてください。
交通、買い物、病院、学校などの日常に必要な生活利便施設、日当りや眺望などの住環境は、自分たちの目と足で確認することが重要です。車で見学に行くと、気付かないことが多くありますので、バスや電車を利用して歩いて確認することも大切です。
現地へ見学に行ったら、その物件だけではなく、周辺の環境や最寄り駅までの道など確認しましょう。
また地域の信頼できる宅建業者を選ぶことも住宅購入を成功させる秘訣の一つです。
購入の申込みと売買契約締結
気に入った物件が見つかったら、不動産業者を介して、まずは書面にて購入申し込みをするのが一般的です。これは買いたいという意思表示をするもので、もし購入するにあたって、何らかの条件を付けたいのであれば、この書面に記入します。
この購入申込書をもって、はじめて交渉がスタートするわけです。購入希望者から受けた申込書をもとに、不動産業者は契約の成立に向けて尽力します。
尚ここで交渉決裂になった場合は、買主、売主ともにペナルティを受けることもなく、何もなかったことになります。
条件交渉の結果
希望金額に価格交渉がある場合は、あらかじめ不動産会社と相談した上で金額を決めましょう。
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合は、借入予定の金融機関にて、あらかじめ事前審査を受けて承認を得られてからの方が交渉に有利です。
売主は、購入資金の裏付けのある買主との契約を望みます。値引きなどの交渉があったとしても、住宅ローンの事前承認を得ていれば裏付けの根拠となるので、売主の判断材料にもなります。
交渉の結果、売主側と買主側の細かな条件を擦り合わせて、合意できれば正式に売買契約を結ぶことになります。
契約に備えて、手付金の準備をしましょう。売買契約締結時に契約成立の証として、売主に渡すのが契約手付金であり、この手付金は売買代金に充当されるお金です。金額は、売買代金のおおよそ5%から10%が一般的です。
不動産の重要事項説明
不動産は、物件に対する権利関係や、様々な法令上の制限を十分に調査したうえで取引を行うことが大切なのですが、はじめて不動産を購入する人は、不動産取引に関する専門的な知識が少なく、知るべき必要な情報が何なのか、買主が自らすべてを調査することは困難です。
不動産の購入者が知らなかったことで不測の損害を被ることがないよう、買主の代わりに宅建業者が取引に必要な情報を調査し、重要事項説明書を作成します。
宅建業法では、売買契約を結ぶまでの間に、不動産取引の専門家としての資格を有した宅地建物取引士が、買主へ重要事項説明を義務付けています。
売買契約を締結するときの注意点
不動産取引の契約が成立した際、契約当事者が契約内容についての誤解や不十分な理解により、後のトラブルを防止、また回避のために宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法第37条の規定に基づく「37条書面」という契約書を交付しなければなりません。
書面には、代金の額、その支払方法、引き渡しの時期など法律に定める主要な契約内容が記載されています。
契約書にサインする前に、いま一度契約内容の確認をしましょう。
契約条件について合意した内容が契約条項となっていることの最終確認であり、契約条件の話合いをするためのものではありません。契約当日に新たな契約条件や変更を申し出ることがないようにしなければなりません。
売買代金の支払い方法は、契約交渉の際に決めますが、売買契約時に手付金を支払い、残金は一括して最後の引渡しと同時に支払います。また住宅ローンを利用する場合も、金融機関等から融資を受領後、同様に支払います。
場合によっては取引の状況により、中間金を支払うこともあります。
いったん売買契約を締結すると自己の都合で契約を解除することはできません。
万が一、契約を解除したいとき
一番簡単な契約の解除方法は、手付を放棄することで解除できます。これは売主の承諾は必要なく、手付金を放棄して契約を解除する旨を通知すれば、契約の解除が成立します。
ただし既に売主が履行の着手をしているときには手付放棄による解除はできません。
なお売主が不動産会社以外の場合は、手付解除期日を設定するのが一般的です。手付の解除期日が定められているときは、その期日を過ぎると解除できなくなりますので注意が必要です。
契約に融資利用特約や買い換え特約などの解除条件を付けている場合、融資承認が得られなかった等の条件が成就したときは、解除特約に基づいて契約を解除することができます。その場合、それまでに支払っている手付金等の金銭はすべて無利息で返還されることになります。
売買契約は、書面がなくても当事者間の契約をする意思の合致だけで成立しますが、互いに約束したことは書面にしておかないと後々トラブルの原因にもなります。
宅地建物取引業法は、当事者の合意のみでの契約によるトラブルを防止するために、不動産会社に対し、契約が成立したときには、契約の内容を記載した書面「37 条書面」を売主と買主に交付することとなっています。通常は、売買契約書が 37条書面を兼ねています。
住宅ローンの申込み手続き
不動産の購入には、住宅ローンの利用が不可欠です。融資を受けるには、大手都市銀行、地方銀行、ネット銀行、住宅金融支援機構のフラット35など、借入先は色々ありますが、いくつかの手続きや審査を経ることが必要です。
どの金融機関でも住宅ローンの審査は、申込者の収入や資産に対して、その物件を購入することに無理がないか、また安定して返済を続けていけるのか、といった申込者本人の信用や返済能力等、そして万が一、返済ができなくなった場合に備えて、物件の担保価値があるのか、大きく分けてこの2つが審査されます。
そして審査は、「事前審査」と「本審査」の2段階で実施され、事前審査を通過しないと本審査を受けることができません。
まずは事前審査
事前審査では、購入予定の物件・契約者の年収・職業から、お金を貸せるだけの年収や返済能力が見込めるかを判断します。
審査に必要な書類は
- 運転免許証やパスポートなど本人の顔写真付きの身分証明証の写し
- 健康保険証の写し
- 前年の年収が分かる源泉徴収票
- 自営業者や個人事業主の場合は、直近3期分の確定申告書の写し
- 購入を予定している物件の販売図面
- 土地を購入して建物を建てる場合などは、建設費等がわかる見積書
- 中古物件の場合は、土地と建物の登記簿謄本(登記事項証明書)
通常3営業日ほどで審査結果が出ます。
また最近では、事前審査をインターネットで簡単に行うことができる金融機関も増えています。申込の際には自身の年収や勤務先の情報、勤続年数等を入力する必要がありますが、必ず正確な情報を入力してください。
事前審査に通ったからといって、必ずその金融機関を利用しなければいけない、というわけではありません。同時に複数の審査申し込みをするのも事前審査に通る確率を上げる方法のひとつです。
銀行が審査しているのではないのです!
多くの金融機関は、保証会社というものを利用しており、審査を行うのは、住宅ローンを提供している銀行ではなく、保証会社が審査をしています。
住宅ローン利用者が、万が一返済を続けられなくなってしまった場合、保証会社がその人に代わって金融機関にお金を返済します。ただし住宅ローン利用者の借金がゼロになるわけではなく、返済先が金融機関から保証会社に移行されます。
この保証会社は、グループ系列の保証会社と独立系の保証会社があり、ほとんどの金融機関は、保証会社の保証を受けられることで融資を行っています。
そのため住宅ローンを利用する人は、保証会社に保証料を支払うことになります。保証料は、一括外枠方式と分割内枠方式の2つ方法があります。
一括外枠方式は、毎月の住宅ローン返済とは別に、前払いで一括して支払う方式、分割内枠方式は、毎回の返済額と合わせて分割して保証料を支払っていく仕組みです。
保証会社を利用しないのは、ネット銀行や住宅金融支援機構のフラット35がその代表的といえるでしょう。
これらの金融機関を利用すれば保証料はかかりませんが、個人に関する審査が厳しかったり、融資事務手数料を支払う必要があり、保証料がかからないというメリットの裏側には、さまざまなデメリットが隠されているので注意が必要です。
こんな人は審査が通らないかも・・・
審査の申込みをしてから、結果がすぐに出るケースがあります。
クレジットカード等の信用情報機関のブラックリストに載っている人の場合は、謝絶(融資不可)の結果がすぐに出ます。これは金融機関が、信用情報機関と情報を共有しているためです。
またクレジットカードの引き落とし日に間に合わず、返済を延滞してしまった、1回であれば問題視されない場合もありますが、複数のカードで複数回など、延滞履歴が残っていると、ほぼアウトです。
他にマイカーローン等の比較的多額のローンを組んでいる場合、その他ローンの額が大きい場合などは、年収の面でクリアしていても、厳しい判断をされる場合があります。
またクレジットカードを作ると、おおかたキャッシング機能がついてきます。カードをたくさん所持しており、そのキャッシング可能額の合計が高額の場合は、「キャッシング可能額を将来借りる危険性がある」と見られてNGとなる場合もあります。
このように住宅ローンの審査において、申込者の信用情報は必ず審査されます。過去に延滞を起こしている等、個人情報に問題がある場合は、審査に通るのはかなり難しいとお考え下さい。
いよいよ本審査
事前審査を無事に通過したら、正式な住宅ローンの申込手続きに進むことができます。ここからが、本審査といわれるものです。
本審査の際には、銀行や提携している保証会社が一緒になって、提出した書類等を詳しく審査されます。
本審査では、事前審査のときに問われなかった項目で、健康状態という要素があります。 金融機関で住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険に加入しなければなりません。
この団体信用生命保険は、借入した本人が高度な障害、もしくは死亡した場合に保険金で債務を弁済することで、遺された家族の救済措置とするためです。
団体信用生命保険に加入する際には、以下の内容を告知することが求められます。
最近3ヶ月以内の医師の治療・投薬履歴
過去3年以内の手術、2週間以上にわたる医師の治療・投薬履歴・手・足の欠損や機能障害、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能障害
これらの告知事項を正しく申告する必要があります。故意または重大な過失によって虚偽の申請をすると、告知義務違反となって保険金は支払われず、住宅ローンの全額返済を求められる可能性もあります。
この保険の審査に通らないと、「住宅ローンの本審査も通らない」ということになりますので、注意が必要です。
より詳しく審査された結果、「事前審査は通ったけれど、本審査には通らなかった」というケースもあります。本審査に要する期間については、概ね1週間から2週間程度で結果が出ます。
住宅ローンの契約
必要な書類は・・・
- 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
- 住民票(本籍・マイナンバー省略の世帯全員分)
- 印鑑証明書
- 実印(印鑑証明書登録印と同一のもの)
- 預金通帳(借入れる金融機関の口座がない場合は、新規に口座開設)
- 返済口座届出銀行印
- 収入印紙(契約書用)
- 不動産売買契約書の原本や建築請負契約書など
抵当権設定契約書には、債務者の借入金返済の履行を担保するために、不動産(土地、建物)に抵当権を設定するための契約書です。
金融機関は債務者から返済が履行されない場合における、貸出債権を回収するための手段のひとつとして、不動産を競売にかけることがあります。
どの不動産に抵当権を設定するのか、どのような状況で抵当権が行使されるのかなどが記載されています。
保証委託契約書は、住宅ローンの借入れにおいて、保証会社を利用する場合に必要となる契約書です。
住宅ローンの債務者が何らかの理由で返済できなくなった際に、保証会社が代わりに金融機関に対して返済し、金融機関から住宅ローン債権を譲り受けることを定めています。
借主に代わって金融機関に返済されますが、借主の住宅ローン返済義務がなくなるわけではなく、金融機関の住宅ローン債権を譲り受けた保証会社は、住宅ローンの借主に債務の返済を求めることになるという内容が記載されています。
マイホームを手に入れるまでの間には、多くの契約を結ぶこととなります。
住宅ローンの申込みをスムーズに行うためには、手続きの全体の流れを把握しておく必要があります。また金融機関によっては借入れできない場合もあります。
住宅ローンは大きな金額を借入れ、長期間に渡って返済していくものですから、自分に合った金融機関を見つけることが大切です。
残代金の支払いと物件の引渡し
買主が売買代金全額を支払うことを決済といいます。売主と買主が不動産売買契約を締結してから、およそ1ヶ月から2ヶ月以内に行われることが多いです。
買主の売買代金支払いと、売主の物件の引渡しを同時に行いますので、「決済・引渡し」という言い方もします。
売買対象物件に抵当権や賃借権等がついている場合、売主はその責任と負担において、その抵当権等を除去し、その登記を抹消して買主に引き渡し、移転登記しなければなりません。
住宅ローンを利用した場合の融資の実行、残代金の支払い、固定資産税などの日割精算、物件の引渡しは、不動産取引の安全のため、同日に実施されるのが一般的です。
残代金は物件の売買代金から、すでに売買契約時に支払った手付金の金額を差し引きし、最終的な支払い額を調整します。
決済の際、住宅ローンを利用した場合は、金融機関から融資実行が行われ、ローンを提供する金融機関から売主へ売買代金の残代金が支払われます。
また固定資産税および都市計画税は、税額を所有権が買主に移転する日付で日割り計算し、差額を支払います。さらに中古マンションの場合は、管理費や修繕積立金等を同じく所有権が移転する日付で日割精算を行います。
物件の引渡しまでに準備すること
残代金の受領と物件の引渡しに向けた準備に入るため、引渡し前の最終段階として、現地確認を行います。
売主による物件状況の確認書、あるいは付帯設備表といった書面で売買契約時に告知されたことと相違ないか、また売主も気づいていない新たな破損・故障が発生していないか、残置物はないかなど確認が必要です。
中古物件の設備等の故障や不具合が、物件の引き渡し後に発覚した場合、主要設備の不具合については引渡完了日から7日以内、給排水管の故障等は3か月以内に請求を受けた場合に限り、売主は責任を負うという契約内容のものが多いですが、引き渡しを境に売主に補修等の請求できなくなる項目もありますから、引き渡し前に買主の目で確認しておきましょう。
新築分譲住宅等の場合、引渡し日までの間に実施されるのが、立ち会いの内覧会です。買主、建築業者(建売の場合は建売業者)、不動産会社の3者で行うのが一般的です。
買主は、金融機関等からの融資を受ける場合は、融資手続き後、金融機関の指示に従って融資実行の手続きを行います。決済日に必要な金銭や書類等については、不動産会社の連絡に従って準備をしましょう。
不動産登記について
不動産登記とは、中古住宅を購入した場合、土地と建物それぞれについて、所有者が売主から買主に移ったことを示す所有権移転登記、新築の建売住宅を購入した場合や、土地を購入して新築戸建てを建てた場合、土地は所有権移転登記を行い、建物を所有者が自分であると明示するための所有権保存登記が行われます。また所有権登記のある不動産に、金融機関等が担保権を設定する際に行う抵当権設定登記があり、土地や建物の不動産の所有者を、法的に明らかにするための制度です。
決済日に立会う司法書士が、不動産登記に必要な書類や情報を確認します。
司法書士により所有権の移転・抵当権等の抹消等に必要な書類や情報が確認された後に残代金の支払いを行います。
売買対象物件に抵当権や賃借権等がついている場合、売主はその責任と負担において、その抵当権等を除去し、その登記を抹消して買主に引き渡し、移転登記しなければなりません。
書類が不足していたり情報が確認できないような場合、決済が延期されることがあるので注意が必要です。
登記手続きをするためには、所有権保存登記や所有権移転登記など、登記をする際に納める国税の登録免許税と司法書士に委託する場合の費用が必要になります。
決済日に必要なもの
売買代金の着金確認について、それほど時間がかからずにできれば、決済・引渡し手続きは、書類作成の時間を合わせて1時間から1時間半ほどで終了します。
決済当日に必要なものは・・・
- 売主へ支払う残代金
- 印鑑(場合によっては実印)
- 住民票(事前に金融機関に提出済みの場合は不要)
- 本人確認資料(運転免許証など)
- 預金通帳と銀行届出金
- 固定資産税・都市計画税の精算金
- 管理費・修繕積立金の精算金(中古マンションの場合)
- 登記費用(登録免許税を含む司法書士の報酬)
- 仲介手数料(不動産会社の報酬)
決済日時と場所は、関係する当事者と打ち合わせ後決定されます。
物件の引渡し
不動産の引渡しを行います。売主から関係書類を引き継ぎ、建物がある場合は、売主から買主に鍵を引渡すことで決済と引渡し手続きがすべて終了となります。
このような手続きを1日で終わらせるため、手続きは不動産会社や司法書士に段取りをしてもらうことができますが、ご自身でも流れを把握しておくことも大切です。
最後に
マイホームを手に入れたあなたは今日からオーナーです。
自然災害などは火災保険等でカバーできますが、建物本体や住宅設備機器等は時間とともに劣化していきます。
少しでも劣化を遅らせ、良好な状態を維持させるのがメンテナンスです。将来の修繕等は、基本的にオーナーの役割となります。いざというときのために、メンテナンス費用を蓄えておきましょう。
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