不動産購入の申し込みをする際の注意点
「購入の意思を示す際に売主に提出する不動産購入申込書は法的な拘束力はありますか?」
「不動産購入申込書に記載する契約日時はいつにすればいいのでしょうか?」
などのご質問をよくいただきますが、不動産を購入する際に、売主へ提出する不動産購入申込書について詳しく解説します。
不動産を“買います”の意思表示
不動産購入申込書とは、不動産購入希望者が売主、または不動産会社あてに物件を購入する意思がある旨を表明する書面のことです。
不動産会社によっては「買付証明書」などとも言いますが、主旨は同じものです。
1.購入希望価格
2.手付金の金額
3.住宅ローン借入予定金額
4.契約希望日時
5.引き渡し希望日
6.その他の希望条件
以上の内容を明示するのが一般的です。
購入希望価格
売り出されている金額、またはご自身が希望する購入金額を明示します。
希望金額に近づけるための価格交渉がある場合は、あらかじめ不動産会社と相談の上、金額を決めましょう。
手付金の金額
売買契約締結時に、契約成立の証として売主あてに渡す契約手付金であり、売買代金に充当されるお金です。
金額は売買代金のおおよそ5%から10%が一般的です。
住宅ローン借入予定金額
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合に記載します。
記載する金額は借入を予定している金融機関にて、あらかじめ仮審査を受け、事前承認を得られた金額が一般的です。
契約希望日時
ご自身が契約できうる日時を記載します。当日は購入する物件についての重要な説明と契約の内容について、宅地建物取引士より説明を受け、契約書に署名、押印をする日です。
価格交渉を行ったなどの条件を提示している場合は、できる限り最短の日時を記載したほうが良いでしょう。
引き渡し希望日
この日は、売買代金の残金を売主に支払い、売主から住まいの鍵などを受領し、物件の引き渡しを受け、所有権の移転登記の手続きを行う日になります。日程については不動産会社との打ち合わせの上、決めましょう。
その他の希望条件
売買金額以外に、売主に対して何か条件があれば記載してください。例えば、中古住宅を購入する場合、自身ではその土地に新たに家を建築するので、古い建物は取り壊した後に引き渡してもらいたいなど、不動産会社に相談したほうが良いでしょう。
不動産購入申込書に法的拘束力はありません
不動産購入の申し込みのあとに、具体的な交渉をした結果、条件が折り合わないなどの理由から購入申し込みを撤回したいということもあり、このような場合、自由に撤回できる性質を持っています。
不動産購入申込書は、購入希望者の意思表示であり、契約行為ではありません。一般的に、売買契約を締結していない限りは、申し込みを撤回することは可能なのです。
しかしながら、
「いつでもキャンセルできるから取り敢えず・・・」
「とりあえず物件を押さえておきたいから・・・」
といった感覚で、安易に購入申込書を提出してはなりません。
こんな価格交渉はできません
ある日、新築分譲住宅をご案内した後のこと。
6,000万円の物件か~。5,500万円なら買いたいので、価格交渉してもらえませんか?
交渉となればお客様の資金繰りなどをお伺しなければなりません。どちらかの金融機関で事前承認を取得していますか?
住宅ローンは大丈夫だから!○○銀行で5,500万円くらいの事前承認もらってるから。
地元の人間だからこの辺の相場がわかるんだよね。大体このくらいの土地の大きさだと5千万円前半くらいじゃない?5,500万円でもちょっと高いと思うんだよね~。
そうですか・・・。
とここでは、購入の意思表示である申込書すらとりませんでした。
このように、自身で勝手に決めつけてくるような人は、少なくとも当社は交渉の場をもちません。
売主の立場に立った時、500万円もの値引きを要求され、はたして素直に受け入れるでしょうか?
当社ではこのような交渉はお断りするようにしています。
建売分譲住宅を販売する会社の本音
一週間後に契約してくれる顧客より、今日明日に契約してくれる顧客を優先する傾向にあります。
また価格交渉にものってくれるのが不動産業界のセオリーです。
価格交渉を優位にすすめるには、不動産購入申込書に記載する契約日時などは、「売主さんの都合に合わせて」と記載したほうがよいでしょう。
価格交渉を成功させるために
物件を決めるまでは、自分で色々と調べたり、人に相談したり、家族会議をしたり。
そして「決めた!」となったら早く契約をすることです!
これは決してお客様を急かせているわけではなく、建売分譲住宅会社の担当者は
「価格交渉は分かりますが、いつご契約いただけますか?」
と不動産購入申込書を提出すると必ず聞かれます
「では明日の夕方はいかがですか?仕事が終わったあとにでも契約できますが」
と話せば
「わかりました!価格交渉の件は店長に相談してみます」
となるわけです
「すぐにでも契約はできます」と言えば、価格交渉も成功するかもしれません。
また不動産購入申込書を提出するタイミングも重要なのです!
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