大家さん、空室には空室の理由があります

懇意にする方より「知り合いが所有するマンションの空室に悩んでいるので、相談にのってもらえないだろうか」とお話をいただきました。早速、オーナーさんとお会いし悩みをお伺いしました。

最寄り駅より徒歩１５分の住宅街に建つ賃貸マンションは築３５年で全６世帯です。数年前に外壁塗装や防水工事を済ませ見た目は小奇麗なのですが、なぜか空室が続いています。敷地内は２週間に１回、シルバー人材の方が清掃業務をしていますが普通。掃除道具が階段下に置かれているのに？を感じます（ちゃんと物置を設置するべきかな）

室内はリフォーム（原状回復）をされているのですが‥ホコリが目立ちます。内玄関にはゴミが溜まっていて、少なからずムッとした匂い（苦笑）驚くのは１５０万円を掛けたリフォーム！「エッ、これが‥」～キッチンと給湯器を新しくし、クロスやクッションフロアー、襖を張り替えただけです。なんの変哲もない、ただの補修（苦笑）

【ここ借りたいと感じますか？】
失礼を承知で言いました！「あの～この部屋を借りたいと思いますか？入居者が借りたいと思う部屋になっていませんよ。オーナーさん、そう感じません？」と目を見てお話をすると『う～ん、管理会社に任せていたから‥確かに味も素っ気もないリフォームだと感じるけど」

【大家業は甘くありません】
わたし、駅から２往復しました。驚くほどにファミリータイプと思われるアパートやマンションがあります。外から見ても空室だなあと感じる建物がたくさんあります。「どのような条件でどのような募集をしているのですか？」と尋ねると‥『管理会社に任せているのでよくわからないんです』

お会いする約束の時に「レントロールを見せていただけますか？」とお話をすると『レントロールって家賃表みたいな書類のことですか？』と言われビックリしました。正直、これは大変なことになりそうだと感じたしだいです。

【お金の入と出を掌握しましょう】
どのような人が、どのような条件で、借りているのか？～属性は？賃料や共益費の金額は？保証会社は？保証人は？契約期間は？クリーニング費用は？鍵交換代は？。年間の固定資産税都市計画税は？共用部分の電気代は？受水槽の点検費用は？火災報知器の点検費用は？～これらを網羅するのがレントロールです。

【管理会社との委託契約】
管理会社の管理手数料は家賃の５％です。委託している契約内容はどのようになっていますか？‥‥‥（沈黙）ハイッ、毎月１万数千円を管理手数料として支払い続けています。

管理会社は、自社ホームページ（専任媒介と表示）に掲載していますが、レインズ（国土交通大臣が定めた指定流通機構）に登録していません。

【自社のお客さんにしか紹介しない囲い込み】
駅周辺の数社に直接お伺いし「こちらのマンションだとお家賃いくらぐらいであれば、お客様に紹介していただけますか？」と尋ねると「エッ、まだ空室なんですか？もう、だいぶ空いているでしょう。僕が案内したのが１年ぐらい前、レインズが落とされていたから、すっかり決まったものだと思っていました」

賃料をいくらにする？礼金や敷金はどうする？‥外国籍の人への対応、ルームシェアの対応など決めなければならないことがあります。そのようなことは賃貸条件であり、一定のルールのもと考えればいいことです。わたしが賃貸管理において一番大切にしたいことは【信頼の構築】です。わたしにできることを明確にし実行すること。大家さんに協力いただくべきこと示しお手伝いしてもらうこと。要は協働作業！そう信頼関係があってこそなんです。

今回のケースは少々ハードルが高い（苦笑）でも１年を通じて一番のトップシーズン！！智恵と経験を絞って顔晴ります。実はこのお客様賃貸管理だけではないから‥正式に決まりましたらお話しをします。