お隣の人が境界を認めてくれないんです
土地を処分し各兄弟間で現金で分けることにしました
測量の立会いをされたお隣の所有者から「その境界は違います!その石の30センチ右側にある鋲が境界です」
お子さんたちで遺品整理をした後、不要な物は業者に依頼し処分をしました。土地家屋調査士に測量を依頼、近隣4名の方に境界立会いをしたところ東側隣接の所有者から「その境界は違います!その石の30センチ右側にある鋲が境界です」と言われてしまいました。多少の誤差はあれども埋設される境界のポイントで間違いありません。法務局保管の測量図を元に現地の境界と照合しても、お隣の方の言われる鋲が境界ではありません。
土地家屋調査士が作成した現況図を元に不動産会社の方は何度も説明に赴かれたそうですが『亡くなった父から聞いているので間違いはない。そちらの言っている境界は認められない。ブロック塀を建てるのは自由だけど鋲を境にしてください』~暗礁に乗り上げてしまいました。「鈴木さん、このようなケースは扱ったことあります。弊社ではないので‥どうしたらいいか知恵を貸してください」
裁判ではなく『筆界特定制度』を利用して解決する
筆界特定制度は、裁判では時間や費用がかかりすぎるなどの課題を解決するために、平成18年に始まった制度です。この制度は裁判所ではなく法務局で行う手続きで、土地の所有者が筆界を特定したいときに申請を行います。主に土地家屋調査士や弁護士などが筆界調査委員となって必要な調査を行い、その意見を踏まえて法務局の筆界特定登記官が筆界を特定するものです。筆界(境界)確定訴訟は数年程度かかることが多いのに対して、筆界特定制度の平均処理期間は約1年ぐらいと言われています。
『エッ、筆界特定制度でも1年近くもかかるんですか!』
筆界(境界)確定訴訟の件数は大幅に減りましたが筆界特定制度は増えています。訴訟はハードルが高いと躊躇されていた方の利用も増えたことが要因と言われています。手続き費用(測量費用)は土地の広さや測量の難易度でケースバイケースですが、決して安価ではありません。
「相手側の主張を受け入れた場合、何㎡減るのですか?単価はいくら減りますか?」時間軸で損得勘定する法
話を聞きおおよその状況が理解できたので私の考えをお伝えしました。
「相手の主張する鋲が境界とすると何㎡減り、単価はいくら減るのですか?」
『約2,5㎡‥坪60万円程度だから45万円程度でしょうか』
「大胆な事を申し上げますが、売主さん3人にとって約1年という時間と45万円というお金とどちらが重要ですか?境界石は境界石、立会承諾は立会承諾、微妙にズレがあるのはなんともし難たいんです。私も言われるままでいいのか?という気持ちはありますが、お子さん3人に全てをお伝えし判断を仰いだほうが良いですよ」
『やっぱり、そうなるのですか‥」
「理に合わないことを主張される人に理屈で話をするのは手間と暇がかかります。もちろん筋道を通すことも必要ですが、時間軸で損得勘定することも必要です。境界石でのトラブルは感情剥き出しになり精神的にまいってしまう場合が多いです。45万円は大きなお金です。でも3人で割れば一人あたり15万円‥ちょっと目線を変えて考えたらいかがでしょうか?」
『わかりました。さすが実践でやっている人の話ですね』
まとめ
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