株式会社スプラッシュ
2018年03月25日
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顧客が顧客を呼ぶ感動価値の創出 第2章
所属する日本開発工学会に提出した研究ノート「不動産仲介業ー顧客が顧客を呼ぶ感動価値の創出ー」について連載の第2章。そもそも不動産ビジネスとは?報酬規定、広告媒体の変化と顧客動向、インターネット主流へと移りゆく状況について寄稿します。
2.不動産ビジネスとは
2・1 不動産仲介業の役割
不動産仲介業は、知識や経験と圧倒的な情報を持つ売主と少ない情報しか持たない顧客との非対称関係の間を取り持つことを生業にしている。インターネットが拡大し、顧客も手軽に情報検索できる環境になったが、不動産市場における相場、年々改正される各種法令等を理解するのは厳しい一面がある。近年では各種情報が氾濫し、顧客は何が自分にとって有効なのか、情報そのものの見極めが難しいのが現実である。
宅地建物取引業法(昭和 27 年 6 月 10 日施行) 1) に、不動産仲介業は「宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物
の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業をして行うものをいう」と定義されている。具体的には宅地建物の売主と買主の媒介斡旋を行う業者を指
し、その業務は主に以下のプロセスで行われている。(図1 参照)
報酬規定は法律で上限が定められいる
業務に関する報酬は同法に「依頼者より最大で物件価格 ×3%+ 6 万円(簡易計算法式による)を得ることが出来る」と規定されていて、報酬の上限を規定している。
広告媒体の変化と顧客動向
以前は、週末ともなれば新聞本紙より分厚い不動産広告の折込みチラシが挟まれていたが、新築分譲マンションの広告以外は激減している。不動産購入層の新聞購買者が減少していることや、折込みチラシに係るコストとそれに見合うパフォーマンスが得られていないことが大きな原因であると考えられる。例えば、B4 サイズ 8 万部の印刷費と折込み費用を含む 1 枚に掛かるチラシの費用は約 8 円となるが、1 万部配布して反響は 1 件程度しかなく、つまり一人の顧客に係るコストは約 8 万円となっていた。
インターネット主流へ
今やインターネットを使った広告が主流となっている。インターネットに取って変わった主な原因は、情報鮮度及び情報量の低さであると考えている。ある顧客は紹介する物件すべてを知っており、なおかつ既に見学していると話したため、疑問に思って質問したところ「ネットを利用してパソコン上で見学した」と答えてくれた。顧客は、メールで問い合わせ、間取り図等を請求し、インターネットを使って周辺環境はもとより、土地履歴や地盤の情報収集をした後に自らが選択した物件のみを実際に見学する。販売現地に訪れる、不動産会社に問い合わせの上案内されるといった顧客の行動は稀有である。
第3章へ続く‥(内部リンク)
顧客が顧客を呼ぶ感動価値の創出 第1章はコチラ(内部リンク)
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