中古住宅の建物状況調査(インスペクション)普及率が1%なのはなぜ?
12月1日の日本経済新聞朝刊2面「真相究明」で掲載されていたのが、今年4月に不動産業者に対して、建物状況調査(インスペクション)を紹介することを実質的に義務付けされるも、改正され半年が経過しても普及率が1%未満なのが現状という報道です。
そもそも建物状況調査(インスペクション)ってなに?
建物状況調査(インスペクション)とは、住宅に精通したインスペクター(住宅診断士)が、専門家として住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。
売主は「建物状況調査を実施した結果、構造部分などに不具合が見つかれば物件の価値が落ちてしまう」と積極的にならず、不動産会社は「手間がかかるだけで契約に結びつかない」と精力的な動きをしません。また買主も、売主から同意を得る、業者を選択するといったことを煩わしく感じてしまう傾向があります。建物状況調査の実施には①3時間程度の時間、②費用も数万円~10万円近くが発生するのが実情です。
建物状況調査の普及率1%だからこそ『建物状況調査』を実施して安心してもらえるようにアピール
売主として、売り出す前に建物状況調査(インスペクション)実施を考えていただきたい理由は、買主にもメリットがあるのがインスペクションだからです。買主目線で見た場合の『建物状況調査(インスペクション)』の主なメリットは3つです。
事前に購入を検討している物件の状態を把握することが出来る
購入後の補修費の目安が分かり、リフォーム計画も立てやすい
引き渡し後の問題箇所の発覚のリスクを軽減することが出来る
売主は自宅に何ら問題がないことを示すことが大切
①買主に安心して買ってもらえる可能性が高まる
②建物の状況を理解して買ってもらうことで、トラブルを減らせる
③早く売れる可能性が高まる
④価格交渉で有利になるかもしれない
⑤売却後の瑕疵担保責任を求められるリスクが減る
普及率が1%だからこそ建物状況調査(インスペクション)は買主に訴求します
不動産売買は「安心・安全」でなければなりません。その安心安全をアピールする方法が建物状況調査(インスペクション)なのです。さまざまな理由で実施に躊躇するからこそ、売主が売り出す前に実施する、その効果は大と考えます。
売主の物件価値を担保し、買主に安心感を与える
中古住宅を売ることをお考えの方コチラの不動産売買契約書、重要事項説明書をご覧ください。所属する全国宅地建物取引業協会のフォーマットを抜粋したものです。
不動産売買契約書・重要事項説明書(PDF)
わたくしたちは「建物状況調査(インスペクション)」を手間とは考えません。売主の物件価値を担保し、買主に安心感を与えるのが「建物状況調査(インスペクション)」と考えるからです。
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