「慮る」(おもんばかる)とは 何ぞや
ハイッ、ある方より厳しいご指摘をいただきました。
センスウエアって何ですか?慮る(おもんばかる)ということでしょう‥。ウッ、ぐうの音も出ませんでした。表情は崩さないようにしましたが心の中はカウンターパンチを食らった状態。なんとか8カウントで立ち上がりファイティングポーズへ。
売主が買い替えの場合の物件引き渡し猶予について~売買代金全額受領の日から10日以内
通常は売買代金の授受と物件の引き渡しは同時です。ところが売主が所有する不動産を売却し、新たなに不動産を購入する『買い替え』の場合、「物件引き渡し猶予」の特約を付保することがあります。
具体的には(売主からみた場合で説明します)
①売却物件の借入残を買主の売買代金より充当し返済する
②住宅ローンの融資を受け新規物件の購入をする
基本パターン①⇒②となります
なぜ売却の取引を先行し購入の取引を後にするのか?
基本的に2つの住宅ローンを組むことが出来ないからです。
売却物件の借入先と購入物件の借入先が別であれば融資可能な場合もありますが、多くの金融機関ではNO!(売り買い同時実行を要求されます)例外は旧東京都民銀行(現在のきらぼし銀行)とフラットのみかと思います。
我々の当たり前がお客様の不安を生む結果になり「大丈夫なのだろうか、ちゃんと引き渡しを受けられるだろうか」
分かりやすく説明したつもりでした。でも‥100%理解されていなかった!理解されていなければお客様は不安になります。大変な金額をお借り入れされるわけですから「ほんとうに引き渡しはされるのだろうか‥大丈夫なの」、当然といえば当然です。
買主からみたリスクヘッジはされているのか?
① 売買代金全額の支払い=所有権移転登記(自分の所有物になります)
② 善管の注意義務は売主にある!
※物件の引き渡しを受けるまで「善良な管理者としての注意義務」は売主が負うことになります。
③ ランニングコストは売主が負担する
※固定資産税・都市計画税に日割り精算は物件の引き渡し日になります。
このような内容を抑えることによりリスクは回避されます。
忖度でもなく、思い遣るでもなく、慮る
あれこれと想いを巡らすことであり、深く考えること
ハードウエアでもない、ソフトウエアでもない‥センスウエア。それは知性・感性・心性で成り立つもの
センスウエアは、ハードウエア、ソフトウエアを包容しているという概念です。製造業、サービス業といった異なる業種においても通じるものです。センスウエアという言葉は聞き慣れませんが、日本人ならではの暗黙知です。ビジネスの世界では暗黙知を形式知にするべく各種取り組みがされています。不動産業も同様、今後はAIにより広範囲かつ加速度的に置き換えられていくことでしょう。そのように変革する中、敢えて「センスウエア」を大切に育んでいきたいと思っています。
今回ご指摘いただいたこと心からありがたいことと感謝しています。
意識しているつもりがいつの間にか希薄になってしまったと痛烈に反省しています。「困っている人の役に立つ仕事をする」~物を買う時代から誰から物を買う時代、潮流の波、センスウエアに磨きをかけるべく一層の精進に努めます。
関連した記事を読む
- 2024/11/23
- 2024/11/22
- 2024/11/20
- 2024/11/19