忖度でもなく、思い遣るでもなく、慮る
今から5年前にある方より手厳しいご指摘をいただいたことがあります。「鈴木さん、センスウエアって何ですか?~慮る(おもんばかる)ということでしょう‥」私が日本開発工学会に寄稿した研究レポートを読まれていての意見です(というかお叱りです)ぐうの音も出ませんでした。弁解無用!仰る通りだったからです。恥を忍んでお話をします。
物件引き渡し猶予の特約
通常は売買代金の授受と物件の引き渡しは同時です。
ところが売主が所有する不動産を売却し、新たなに不動産を購入する『買い替え』の場合、「物件引き渡し猶予」の特約を付保することがあります。分かりやすくご説明します。
具体的には(売主からみた場合で説明します)
①売却物件の借入残を買主の売買代金より充当し返済する
②住宅ローンの融資を受け新規物件の購入をする
基本パターン①⇒②となります
なぜ売却の取引を先行し購入の取引を後にするのか?
基本的に2つの住宅ローンを組むことが出来ないからです。
売却物件の借入先と購入物件の借入先が別であれば融資可能な場合もありますが、多くの金融機関ではNO!(売り買い同時実行を要求されます)例外は現在のきらぼし銀行(旧東京都民銀行)とフラットのみかと思います。
大丈夫なの、ちゃんと引き渡しを受けられるだろうか
分かりやすく説明したつもりでした。
100%理解されていなかった!理解されていなければお客様は不安になります。大変な金額をお借り入れされるわけですから「ほんとうに引き渡しはされるのだろうか‥大丈夫なの」、当然といえば当然です。
買主からみたリスクヘッジはされているのか?
① 売買代金全額の支払い=所有権移転登記(自分の所有物になります)
② 善管の注意義務は売主にある!
※物件の引き渡しを受けるまで「善良な管理者としての注意義務」は売主が負うことになります。
③ ランニングコストは売主が負担する
※固定資産税・都市計画税に日割り精算は物件の引き渡し日になります。
このような内容を抑えることによりリスクは回避されます。
忖度(そんたく)でもない、思い遣るでもない
あれこれと想いを巡らすことであり深く考える
知性・感性・心性で成り立つものがセンスウエア
センスウエアは、ハードウエア、ソフトウエアを包容しているという概念です。
製造業、サービス業といった異なる業種においても通じるものです。センスウエアという言葉は聞き慣れませんが、日本人ならではの暗黙知です。
ビジネスの世界では暗黙知を形式知にするべく各種取り組みがされています。不動産業も同様、今後はAIにより広範囲かつ加速度的に置き換えられていくことでしょう。そのように変革する中、敢えて「センスウエア」を大切に育んでいきたいと思っています。
ご指摘いただいたこと心からありがたいことと感謝しています。意識しているつもりがいつの間にか希薄になってしまったと痛烈に反省しています。「困っている人の役に立つ仕事をする」~物を買う時代から誰から物を買う時代、潮流の波、センスウエアに磨きをかけるべく一層の精進に努めます。
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地元西東京市に暮らし
商売もさせていただいているので
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【鈴木義晴のプロフィール】
頑張るではなく「顔晴る」の意味
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