建物の耐震性能よりも大切なこと
どんなに建物の耐震性能が高くても、地盤が弱ければ安心して住むことはできません。お住まいを建てるときには、「土地と建物は一体」と捉える必要があります。
施工業者が家を10年間保証
一般的な木造2階建ての家を建てると、その下の地面には約60トンもの荷重が常にかかるといわれます。地盤の調査と適切な改良は、地震の時だけでなく普通の暮らしの中で安心して住める家を建てることが大前提となります。以前までは、家が傾いた場合の責任の所在が不明確であったために家が傾いても保証など受けられず、泣き寝入りせざるを得ないご家族が多く存在しました。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、家の瑕疵(欠陥)を施工者が10年間保証しなければならないことが定められました。この法律が制定されたことによって、軟弱地盤で家が傾いた場合でも基礎の欠陥として扱われることになり、施工者が保証しなければならなくなりました。
サウンディング試験と地盤改良
調査方法は、鉄棒を地面に垂直に差して地盤の強度を調べる『スウェーデン式サウンディング試験』が一般的です。地盤調査の後は、必要に応じて適切な改良工事を行います。
施工方法は、地面を締固める『表層改良工法』や、土を掘りセメントと土を混ぜた柱状の補強体をつくる『柱状改良工法』、鋼管の杭を強固な地層まで打ち込む『鋼管杭圧入工法』などがあります。
すぐには現れない地盤が原因の建物の傾き!
地盤が原因の建物の傾きは、建ててすぐには現れません。時間の経過とともにジワジワと傾き、数年単位を経て分かる場合もあります。また家本体だけではなく、住んでいる人の健康にまで影響を及ぼすとの報告もされています。軟弱な地盤はまさに足元から生活を脅かすので注意が必要です。デザインや間取りなどの目に見える部分に関心が偏りがちな注文建築ですが、地盤にも意識を向けてください。
地盤の情報はどこで知る?
インターネットを利用して手軽に地盤の情報を得ることができます。
地盤サポートマップや全国液状化マップなどあくまでも近隣データを基にしたものなので、専門業者による地盤調査をお薦めします。
【参考までにご覧ください】
①ジャパンシールド株式会社の地盤サポートマップ(外部リンク)
土地を購入する前に地盤調査が出来れば良いのですが、所有者(売主)が応諾しないのが現実です。ゆえに契約書締結の際に「売主は、買主が引き渡し前に当該物件の測量及び地盤調査をすることを承諾することとする」といった特約条項を設けるべきでしょう。
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