借主からの苦情の対応方法
借主からの苦情に対応するのは、基本的には貸主ですが、入居者管理を不動産会社に委託している場合には、不動産会社が対応することとなります。
苦情が発生したら、まずは苦情の原因を特定し、契約の取り決めなどを確認しましょう。その上で、貸主か借主のいずれが対応すべきかを適切に判断し、できるだけ迅速に対応を行いましょう。
設備の故障・不備にかかわるトラブル
室内の設備の故障や不備に関する苦情に対しては、あらかじめ修理業者などを整理しておくと迅速な対応が可能となります。
不動産会社に管理を委託している場合でも、念のため修理業者などについて確認しておくとよいでしょう。
また分譲マンションであれば、管理組合や建物の管理会社に確認をします。もし、修理業者に心当たりがないときは、仲介を依頼した不動産会社に相談しましょう。修理業者を紹介してもらえることがあります。
修理に当たって、修理業者から工事への立ち会いを求められた場合は、入居者と相談して、貸主または借主のいずれかが立ち会うことになります。
近隣トラブル
近隣とのトラブルの中で、最も多いのは音の問題です。特に集合住宅の場合は、隣戸や上階とのトラブルが多くなります。この場合、貸主の立場によって対応は異なります。
貸主がトラブルの原因となる住戸を所有している場合
貸主(または不動産会社)から、トラブルの原因である借り主に注意するなどの対応が必要となるでしょう。また建物全体を所有している場合には、注意を促す書面を掲示板に掲出したり、全戸に配布したりする方法もあります。
貸主がトラブルの原因となる住戸を所有していない場合
分譲マンションを賃貸していて、他人が所有する住戸が騒音源となっている場合には、管理組合を通じて注意を促すことになります。対応に時間がかかることもあるので、借主にも対応状況をこまめに伝えておきましょう。
また近隣の住民から借主に対して、苦情が寄せられることもあり得ます。その場合には、借主にすぐに注意を促すようにしましょう。
一般的に、分譲マンションの一室を賃貸する際は、借主にも管理規約を遵守することが求められていますので、貸主には借主に注意を促す責任があります。
また再三の注意にもかかわらず、借主がルール違反を続けるようであれば、貸主は契約の解除も視野に入れた対応が必要になることもあります。
退去時のトラブル
お部屋の退去時には、敷金の返還をめぐってのトラブルが発生することがあります。
基本的に敷金その他の預かり金は、家賃の滞納、入居者の故意・過失などによる 物件の損耗等がなければ返還すべきものです。
原状回復に関する基本的な考え方、運用例などについては、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(外部リンク)に詳述されています。
ガイドラインを参照の上、物件の損耗等について借主が負担する範囲を明確にし、適切な対応をすることが重要です。
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