自分の敷地が前面道路に接していない?Aさんの困りごと
西東京市内にお住まいのAさんご夫妻が、写真、公図、測量図等をお持ちになられ、
「誰もが知る大手不動産会社に売却依頼をしたのだけど、売れないんです!というか建築確認が取得できないからって、安く買い叩かれそうなんです。どうしたらいいのでしょうか?」
と相談に来店されました。
お住まいは16年前に中古住宅を購入
Aさんご夫妻とも年齢を重ねられ、お子様も独立しご結婚、ライフスタイルも変化したのでお住いを売却し、コンパクトな賃貸マンションへの住み替えをお考えになりました。
住まいの売却により、手元に残るであろう資金を老後のために使いたい。趣味である国内旅行もいっぱいしようと思っていました・・・。
整備されている前面道路だが
持参された写真を確認すると、確かにアスファルト舗装されており、幅員も4M以上確保されている様子がわかります。
しかし公図を見ると当該敷地と道路と思われる間に細い筆の存在が確認できます。
インターネットで現在事項証明を取り寄せ、甲区欄に記載されている所有者を確認するとご本人、Fさん、Hさんの3人の共有持分名義になっていました。Fさんは元地主さん、Hさんは2件隣の方ということが解りました。
物件調査で分かった重大な事実
建築基準法上では、4メートル以上の幅員の道路に2メートル以上接しなければならないという規定があります。
ご相談いただいたAさんご夫妻のお住いは、現況では接道要件を満たしていないことになります。
大手不動産会社の担当者は他の共有持分を持たれている方に2名から、持分を譲っていただくべく交渉を薦めました。
Hさんとの交渉における初歩的なミス
全国展開をする大手不動産会社の担当者は、路線価や基準地価を元に一定の金額を算出し、Hさんとの交渉に入りました。
が!初歩的なミスを犯してしまいました。協力を求めるべき相手にいきなりの金額提示!
それも相手を考慮しない機会的な数字に「俺の土地に勝手な値段をつけるな!」とHさんから門前払いを受けることになってしまいました。
建築確認を取得できないゆえ安価になる土地
所有することにおいて何ら差はありませんが、建築確認が取得できる出来ないは資産性を考えると大きな格差となるのが現実です。
一番分かり易くお伝えすると、建築確認が取得できない場合は、金融機関の住宅ローンが利用できないという点です。1%以下の低金利の住宅ローンが利用することが出来ず、利用できるとしても、4%近いノンバンクのローンとなってしまいます。
売るのに住宅ローンのことを考えるのですか?との問いにハイッ!と応えざるを得ません。購入をされる方の大半の方が住宅ローンを利用するからです。住宅ローンが利用できないと決定的なマイナスポイントになってしまいます。
仕切り直しをして3ヶ月が経過し、ようやく交渉のテーブルに!
そこで私が実行したのは、ご相談を受けてから、権利関係を調査。西東京市役所道路管理課と小平合同庁舎建築課への相談、現況測量を実施。Fさん、Hさんへの説明を繰り返し、やっと本題に入ることが出来るようになりました。
いきなりうちに来て「土地を○○で売ってくれ?それはないだろう!」と当時の怒りの理由を口にされたHさんでした。
今後、具体的な条件交渉に入り、細部の取り決めごとをすることにしています。今後の進捗はこのブログにてお伝えしていきます。
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