マイホームを相場より高く売るための知識を身につけましょう
不動産を売る、また住み替えや転勤などで売らなければならないと考えた時、以前は不動産会社を訪れて、話を聴いてみるしかありませんでした。
ですが今ではインターネットで検索さえすれば、複数の業者に一括で査定の依頼ができ、おおよその価格を簡単に調べることができます。
住まいを売ることは、そう何度も経験するものではありませんが、はじめに流れを理解しておけば、行動もしやすくなるでしょう。
ここでは、不動産を売るにあたり、何をするべきか、12項目にまとめました。
動機を明確にする
なぜ、不動産を売りたいのか?また売らなければならないのか?
売りたい理由は、売却価格、売却時期、売却により捻出できる費用、売却に向けての準備など、今後のプロセスすべてに影響してきます。
「早期に売却したいのか」と「なるべく高い価格で売却したいのか」では、プロセスが全く異なってきます。
自分でも不動産の流通市場を調べましょう
まず売り出し価格を設定する前に、所有する不動産の市場価格を知ることが大切です。
売主としては、売り出し価格に限りなく近い価格で売却したいものです。
売り出し価格の設定が高すぎると、買い手が購入の検討すらしない場合があります。
逆に売り出し価格設定が低すぎると、不動産業者の買取りとなってしまったり、思わぬ損をしてしまう場合があります。
おおよそ2~3ヶ月で売れる価格が目線と考えます。
不動産売却において勝ち組になるためには、ネットでの情報収集、不動産チラシをご自身でもチェックしてみてください。
また、近隣のオープンハウスに直接足を運び、ライバルを知ることも効果的です。
間取り、家の状態、見た目、土地の大きさなど、どのような物件が市場に売りに出されているのかを知りましょう。
素早く売りたいとお考えの場合は、競合物件を上回る価格での売り出しは避けたほうがよいでしょう。
不動産査定を依頼する
不動産売却一括査定サイトを利用することも、市場価値を知るひとつの方法です。
ただし、不動産売却一括査定サイトは不動産会社によっては非常に高めの査定をする場合が多く見受けられますので、地域密着で長年営業している不動産会社の訪問査定を受けることもお薦めします。
日々、変化する不動産市況の査定結果でしかないため、実際の売り出し時期の市場価値と、査定時の結果が必ずしも一致するとは限らないことを念頭においてください。
交渉の余地を残した価格設定
売り出し価格を決める際には、買い手からの価格交渉があることを想定して、多少の余地を残した価格の設定がよいでしょう。
あなたが望む売却価格の最高価格と最低価格を決め、売却しなければならない時期によって中間の価格を決めます。
たとえば、1ヶ月以内に売らなければならない理由がある場合は、最低価格に近い価格で売り出しを始めるのが無難です。
第一印象で決まります
不動産を売り出した際、見た目は購入の決め手となる最重要項目のひとつです。
不動産の買い手は、どんな人でも必ず目で確かめます。多くの場合は第一印象といっても過言ではありません。
どんなにお買い得な価格設定をした場合でも、「見た目」と「匂い」などは買い手にとって、購入の決断をする際に特に重要な決め手になります。
塵や埃などは掃除する、鏡や窓を磨く、水周りの垢を取る、シンクやコンロ周りを丁寧に磨く、クローゼットや押入れの中身を整理整頓をする、切れた電球は取り替える、カーペットの染みを取る等々、思いつくことは出来る限り行ってください。
特に玄関廻りは重要箇所です。買い手はあなたの家を自分の家と比較していることをお忘れなく。
また意外と気づきにくいのがペットなどの臭いです。買い手からすると、他人の家の臭いは気になるものです。食べ残しやタバコの臭い、ペットの臭いは買い手の興味を失わせる原因として大きな割合を示しています。
匂いの原因を探るべく、買い手は壁の染みや、引っかき傷の跡などを注意深く探し始めます。ペットが住んでいる形跡や、タバコを吸っている形跡を露骨に残さないように工夫しましょう。
他の人の意見も聞きましょう
不動産売却時の大きな失敗は、ご自身の固定観念に縛られ、他人の意見に耳を傾けないことです。
あなたの住まいの良いところ、悪いところ両方について、たくさんの人の正直な意見を聴かれるほうがよいでしょう。
また、競合物件に比べて優位な位置づけにするために何をすべきか、専門家に意見を求めることも大切です。
暮らしをイメージしやすい環境
あなたの家を見学に来た買い手が購入を決める前に必ずすること。
それは、「ここに住んでみたら一体どんな暮らしができるだろう」と買い手はイメージします。
そのために、不要なものは処分してください。
カーテンなどはクリーニングし綺麗な状態にすると効果的です。
新鮮なお花を花瓶に飾り、トイレも清潔感のある工夫をしてください。
あなたの家の魅力を最大限に引き上げるべく、インテリア関連の雑誌を参考にしてください。
あるがままを伝える
賢い方法として、売り主が知っている限りのすべての欠陥は、書面で買い手に知らせましょう。
これは買い手に対して、誠実な売り主と印象づけられるのと同時に、売り主の責任が最小限にとどめられるだけでなく、後々のトラブルの発生を未然に防ぐことになります。
床の傷、設備の不具合など事前に確認しておきましょう。
自宅が売れる前に次の家を購入しない!
売りに出している家が売れる前に、住宅ローンがある状態で、次の家を購入することはとてもリスクがあるので避けましょう。
ダブルローンにしてしまうと「売りを急いでいる?」という状況が買い手にも伝わってしまい、結果的に売却価格を大幅に下げるようになってしまうので控えましょう。
また、いつまでに売れたらいいという時期を設けることは、ストレスの原因になり、価格交渉の際に非常に不利な条件となります。
少し先のことと構えて、余裕を持って売り出しを開始しましょう。
交渉ごとは感情移入しない
交渉ごとは、ビジネスとして割り切るよう心がけてください。長く住んだ家、思い入れのある住まい、さまざまな感情が駆け巡ると思います。
しかし、客観的に事実を捉え、交渉を進めることによって、あなたにとって良い結果がもたらされます。
買い手の置かれている状況を知れば知るほど、あなたにとって有利に交渉を進められます。
すべての買い手は希望する物件を最低価格で購入したいと考えています。
なぜ、買い手が家を探しているのかという理由を知ることは、あなたが交渉を進める上で有利に働きます。
買い手の予算、引渡し時期を知り、無理の範囲で条件等を併せることです。
申込価格を冷静的に受け止める
買い手からの購入申込価格は、買い手が支払うつもりの額よりも低く設定されがちです。
購入申込み価格が期待値より低かった場合でも、いきなり拒絶するのではなく、細かな内容を確認してください。
頭金の額はいくらなのか、ローン融資額はいくらなのか、引き渡しはいつを希望しているのか、交渉を進めるべきか否か冷静に判断してください。
価格の低い購入申込み、販売価格に近いオファーであった場合でも、今一度売り手としての希望を伝えるという選択肢があります。
再交渉として、例えば価格は譲るとして、引き渡しを速めてもらえないか、手付金を少し多めに用意してもらうことは可能かなど、購入を希望する買い手も考えてくれるものです。
それでも納得がいかない価格や条件のため、断る場合はハッキリと伝え、次の買い手を探しましょう。
しかし、なぜ買い手がその購入申込価格になったのかを確認するようにはしてください。
周辺地区の販売価格を常に比較し、現在の不動産市況に合っているのか常にチェックすることが必要です。
買い手が決まったら契約内容の確認を忘れずに
後々のトラブルを避けるため、契約書にはしっかりと目を通しましょう。
分からない部分があったら、詳しい説明を求めてください。
確認事項としては、契約価格、契約日、契約者名、契約物件住所、手付け金額、住宅ローン審査完了日、取引完了日、物件引渡し日です。
また契約締結をしたあと、約1~2ヶ月後に物件の引き渡しとなる場合が多いのですが、もしその間で、何かイレギュラーなことや問題が発生したら、すぐ営業担当者にその旨を伝えるようにしましょう。
経験を積み重ねた営業担当であれば速やかに対応してくれます。買い手にも内容が伝わり、善後策が練られるものです。
ご自身で考え込むのではなく、正確な情報を営業担当に伝え、話し合いの場を持つようにしましょう。
住まいの売却は、そう何度も経験するものではありません。トラブルなく、より良い条件で売却を成功させるためには、情報を収集し、ある程度の知識と心がまえが大切です。
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