株式会社スプラッシュ
2016年12月24日
ブログ
つばき 山本一力著 光文社
大好きな作家さんの1人です。
山本一力さんがお気に入りの理由は、江戸に暮らす市井のひとの表現が抜群だからです。
一膳飯屋「だいこん」は浅草から深川に移ってきた女あるじがつばきが主人公です。才覚と客あしらいに秀でるつばき、飯炊きの技も評判になり商いも順調に運んでいました。そんなおり、大店の上棟式のお祝い仕出し弁当の依頼が舞い込んできました。深川でも有名な大店、注文の数も100、弁当一つの誂える費用も大!~どのような展開に‥。大店の主、渡世人、近所の女房や子供、女あるじつばきを取り巻く個性豊かなひとが織りなす義理人情物語です。ひたむきに商いをするつばきの深川繁盛記は経営論をも唱えています。
一に始末、二に始末、三、四も始末で、五は大始末
近江商人は商いを【始末・才覚・神信心】といい見栄や贅沢を厳しく戒めています。
文中のつばきと大店・木島屋の隠居とのやり取り
「商いの本分を、あんたなんだと思っておるのか」
『だいこんの商いの本分は、おいしいものを安い値段で食べてもらうことです』
「とんだ了見違いだ」
「食べ物屋が、うまいものをあつらえるものは当たり前のことだ」
「ほどよく儲けることが、商いの本分だ。儲けのない商いなど、道楽にもならんぞ」
つばきに商いを解き明かしていきます。
どうですか‥立派な経営学の教えだと思いませんか?
山本一力ワールドが堪能できる一冊です!!
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