不動産会社に査定を依頼
不動産には定価がありませんので、住まいを売ろうと思ったときには、不動産会社に売却価格の査定を依頼しなければなりません。
まだ売却依頼を決める前の相談ですが、差支えのない範囲でできる限りの情報を提供してください。また査定には、地域密着で営業する会社を加えることもお薦めします。
不動産会社には守秘義務がありますので、依頼者から提供された情報を承諾なく外部に漏らすことはありません。
不動産査定とは、売却の予想価格を算出することであり、必ずしもその金額で売却できることを保証するものでもありません。
これくらいの価格で購入してくれるお客さんを見つけることができるのではないか。という予想の価格なのです。
「かなり築年数の古い実家が意外に高く査定されたり」
「大事に使っていた自宅の評価が驚くほど低くかったり」
といったなど想定外の評価をされる場合もあります。
査定を依頼された不動産会社では、机上で概算価格を算出する簡易査定も行いますが、売却を進める上では、実際の「売却見込み価格」を算出する訪問査定が必要です。
訪問査定は簡易査定と比べて、より精度の高い査定を受けることができ、約一週間程度で査定結果が出ることが多いです。
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不動産を売るときプロはどのように査定しているのか?
売却に必要な書類
築年数の古い住まいを売却する方に多いのが、書類や住宅資料の紛失です。売買契約書や登記済証などはお手元にありますか?
家屋や土地に抵当権が付いているかなどは把握していますか?「自分の名義だと思っていたのに亡くなった親御さんの名義のままだった」などということがないように書類は今一度確認しておきましょう!
登記済証または登記識別情報
登記済証は、法務局から登記名義人に公布される書類です。権利書といったほうが分かり易いかもしれません。登記名義人がその物件の所有者であることを証明する重要な書類です。
また売却する物件が平成17年以降に取得したものである場合は、登記済証の代わりに登記識別情報を発行される場合もあります。
登記識別情報とは、登記済証に代えて発行されるアラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号で、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められているものです。
購入時の売買契約書や重要事項説明書など
新築や中古で購入したマンション、一戸建て、また土地では、売買契約書、重要事項説明書、また売却後も継承される事項が記載された各種覚書、マンションの場合は購入時のパンフレットなどあった方が便利です。
重要事項説明書があると、ご自身が購入時に何を通知されたのかわかるため、売却時の瑕疵を防ぐこともできます。
また不動産会社が査定する際にも、査定精度を上げるために役立ちます。
地籍測量図や境界確認書など
地積測量図は、道路や隣接する土地との境界が定められた上で測量され、その結果が図面として記載されて、土地登記簿に登録されているものです。
境界確認書は筆界確認書ともいいますが、隣接する土地所有者と立会って署名・捺印した書類を双方一通づつ所有しているのが一般的です。
特に敷地の境界が不明瞭だったり、隣接する土地とトラブルになる可能性がある場合はあったほうが良いでしょう。ない場合は、土地家屋調査士に依頼する必要があります。
建築確認済証および検査済証
建築確認済証は、建物を建てるときに、建築会社が市区町村などに建築の確認を申請して、許可してもらった証明書です。
検査済証は、工事完了後に確認申請通りに建築されたことを確認した証明書です。
また建築確認済証、検査済証を紛失してしまった場合、再発行することはできませんが、市区町村役所の建築指導課に保管されている台帳記載事項証明書で代用が可能です。
建築設計図書や仕様書など
一戸建てを新築で購入した場合は、購入時にもらっている書類です。建築設計図書は、不動産会社が販売用の図面を作成するのに必要でもあり、あったほうが売却で有利になります。
その他建物に関しての書類も色々あった方が、購入希望者に良いイメージを与えられるでしょう。
住宅性能評価書など(取得されている場合)
住宅性能評価書は、国土交通大臣に登録した第三者評価機関が全国共通ルールのもと、住宅の性能を公平な立場で評価し、その結果を表示した書面です。
戸建てもマンションも同様にグレードの高い家にしか発行されませんので、あれば売却に有利です。
固定資産税納税通知書または評価証明書など
固定資産税の納税額の確認のために必要となる書類です。
毎年1月1日時点で、不動産の所有者に課税される固定資産税の詳細が記載された書類です。
固定資産税の納税義務は売主にありますが、取得時期に応じて負担額が調整され、売主に一部払い戻されるのが一般的です。
住宅ローン残高証明書または住宅ローン返済予定表
住宅ローンを支払い中の場合は、契約をするうえで実質的に必須と同じ扱いをうけるので準備が必要です。買い主や不動産会社に状況を伝えるためだけでなく、自身の種有する不動産を売却後に住宅ローンを完済できるかを確認するためにも必要です。
ローン残高証明書の代わりにローン返済予定表もローンの残高が記載されているので、残高証明書の代用になります。
もし紛失してしまった場合は、借入を行った金融機関に依頼することで、再発行が可能です。
管理規約または使用細則など
マンションの場合は、管理規約、使用細則、維持管理等の記録(管理費・修繕積立金・管理組合費・町内会費等)が必要です。
管理費や修繕積立金とその改定予定、駐車場や庭の使用権、専有部分の用途制限、ペット飼育制限、管理費や修繕積立金の収支や滞納額、大規模修繕の予定と長期修繕計画表などがマンション売却に大きく影響しますので、なるべく多くを準備しておいた方が良いでしょう。
不動産の売却において重要な査定価格
不動産の価格査定によって、不動産会社から提示される査定価格とは、中古市場の取引相場や動向を考慮したうえで、売主が売出価格を決めるための目安となる価格であり、その価格で不動産市場に出した場合には、おおむね3ヶ月以内に成約するであろう価格とされています。
不動産には多くの価格が存在します。取引の流れの中での価格には、売主の希望売却価格、不動産会社の査定価格、売出価格、買主の購入希望価格、成約価格があります。
最終的な住まいの価格は、契約交渉の中で決まる成約価格ということになります。
不動産会社の査定価格は、業者により多少異なりますが、周囲の相場を考慮して早い段階で売却が可能と思われる価格が提示されます。
売却の依頼を受けたいがために、他社より高い価格を提示する不動産会社もありますが、高いからと安易な判断をしないことが必要です。
売出価格は、売却の目的や事情を考慮しながら不動産会社と相談して決めましょう。
売却を依頼する不動産会社選び
不動産会社から納得のいく査定価格の提示を受けたら、査定価格を目安として売出価格の検討が必要です。
複数の不動産会社へ査定を依頼した場合には、その中から売却を依頼する不動産会社を選ぶことになります。
不動産会社は、売主の利益を最大限に守りながら、取引の相手方と交渉をするパートナーとなる存在ですから、単に査定価格の良し悪しで選ぶのではなく、慎重に判断しましょう。
また不動産会社を選ぶときに迷う方もいるかと思いますが、大切なのは会社の規模ではなく、担当する営業マンの法令遵守への姿勢や販売活動の手法、熱意などから、あなたのパートナーとして信頼のおける担当者なのかどうかなのです。
売却を依頼する不動産会社が決まったら、相談したうえで売出価格を決定し、媒介契約を結ぶことになります。
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